考えはいつだってNo think!

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先週から上野でやってる現代美術展の平面に対する攻め方が想像以上に凄い

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先週末からVOCA展が上野の森美術館で開催されているけど、そのVOCA展の「平面」に対する挑戦が凄い話。

 

 とにかく「平面」への挑戦が半端ない

行くようになってから今年で4年目になるけど毎年新鮮な刺激を与えてくれる。

上野で開催されるアクセスの良さ、40代未満の若手作家限定の展示内容、開催場所が比較的広いので大きな展示も可能、VOCA展は個人的に良い事づくめなのだ。

人に「美術館行かない?」って誘うと美術とか訳わかんねーって断られてとても寂しい。

むしろ、美術専門でもない生活をたかだか30年と少し生きてきた程度で「訳解かる」方が怖い。

風景画等と違って、現代美術は作家の心象風景や訴えたい事やなんとなく作ってみたまで作品の幅が広い。

 

現代美術に興味を持ったのがVOCA展2013で、展示されている作品はどれも普通の絵画とは一線を画す物ばかりだった。

通常はあり得ない、極端にディフォルメされたり誇張された表現は見ていて飽きない。

 

現代美術展はあちこちでやってるけど、幾つかの美術展を見た中でもVOCA展はアクセスの良さや展示される作品数、はっちゃけ具合などのバランスが良いので、誰にでもおすすめ出来るのだ。

入場料も500円と安価なのが嬉しい。

 

VOCA展の募集要項の1つに平面作品である事、がある。

平面作品だから普通は絵画とか写真だと思うがそこは現代美術の登竜門、VOCA展

「平面」の定義が半端ない。

平面だったら平たい物ならなんでもいいんでしょ? とある意味一休さんのとんちの様相を呈していると思う。

 

キャンパスに絵の具を厚盛りして立体的、と言うか立体しても全然OKだ。

巨大掛け軸を垂らしたり、何点かの写真と手紙を封筒に入れて展示したりするのも全く持ってOKである。 

ちなみの手紙は取り出してちゃんと読むことが出来る。

 

そんなVOCA展の中でも、2013~2015年で平面に対する攻め方が凄かった作品を紹介したい。

 

現代美術の展望はどこにある?

作:奥村雄樹

材質:ポリカーボネート

 

個人的にこれぞキングオブ現代美術。

無色透明の板を目の前に見せられて何を感じろと・・・と、しばし途方に暮れる。

絵も写真も無い、ただの無色透明の板があるだけなのだ。

絵の具の厚盛りとかじゃなくてもはや絵ですらない、ただの物である。

VOCA展の規定する「平面」の定義とやらを今一度問いただしたい。

 

それが見た時の素直な感想だったけど、パンフレットを読んでみると本当にそんな感じの意味合いだったりする。

そんなバカなと思うけど本当だ。

作者の思いと見た者の素朴な気持ちがシンクロしているので面白い。

 

「作品」の外縁をどう規定するのか? 平面とは?

VOCA展への出展を受理されなかった前2作から続く作者の制作概念の拡張に基づく計画に基づいて作成された本作は「作品」の外縁をコンセプチュアルに押し広げ、新しい平面を切り開くカッティング・エッジな可能性を有している。

 

 

と、言う事らしい。 

よく解からないけど、とにかくカッティング・エッジな可能性を秘めた作品なのだ。 

 

shining mountain/climbing the world#03-1~03 

作:大橋のぶゆき

材質:液晶ディスプレイ、ビデオ

 

展示内容は水彩絵の具で水槽の内側に山の絵を書き、そこにスキーをしている人とか小学生のフィギュアをくっつけ、水を貯める。

絵の具が徐々に水に溶けて行くと共に少しづつ山が消えて行き、フィギュアも落下していく。

 

 

と言う様子をビデオで撮影する×3

 

わざわざ水彩絵の具で水槽の内側に書いた絵を水を入れて徐々に消していくとか二度手間じゃん、とか人形したフィギュアが山から落下していくのが作品とかどんだけひねくれてんだとか考える事は多い。

 

が、その様子をビデオで撮影してディスプレイに写して平面ですってじゃあなんでもビデオで撮ったら「平面」になるんじゃ・・・と思う事が最大のポイントである。

ちなみに1枚の撮影に関して納得がいかないとやり直しなんだかんだで数十枚書いた上での作品なので非常に手間が掛かっている。

 

3台のモニターに映される無音の世界で徐々に消えて行く山とランダムに落下する人がなんとも言えない無常観を誘う。

水の中なのでまっすぐに落下する訳じゃなく、ゆっくり回転する様に落ちて行く人が逆になんとも言えないリアルさを出している。

 

VOCA展2013 現代美術の展望-新しい平面の作家たち|上野の森美術館 The Ueno Royal Museum

※「受賞作品」から見れる映像は少し早回しになってます

 

Mobile Number : Hole

作:橋本聡

材質:番号を紙に印刷、マスキングテープ、壁紙、その番号を見た者

 

展示内容は携帯電話の番号を印刷した紙一枚。

 

 

これが現代美術だ! 以上っ!

 

 

と言うなにやら夏休みの工作は時間が無くて出来ませんでした的なある種の開き直りを感じる。

 

が、そこはVOCA展出展作品、夏休みの工作じゃないからちゃんと意味がある。

 

携帯電話の番号を見ると掛けてみたくなる人と掛けたくない人と2種類に別れる。

その時に電話を掛けようかどうしようか? 掛けたらどうなるのか? 何が聞こえるのか?

掛けた場合にあるのは恐怖か? 掛けたい好奇心を抑えられるのか?

 

その心の動きまで含めた事が作品なのだ。

見た人の心の動きまで含めて完成とかどんだけだよと思ったけど、そんな考え方普通はしないのでとても面白い。 

 

募集要項が平面だから作品本体は確かに平面だけど携帯電話使ったり、それを見た人が居たりするから三次元なんじゃ・・・。

いや、見た人の心の動きまで含めてとなるともう四次元の世界に突入する、と言うかそもそも二次元とか三次元の定義って何だ?

平面とは何か? 何をもって平面とするのか? 考えれば考える程、平面の定義がゲシュタルト崩壊する。

 

現代美術の楽しみ方

美術の楽しみ方って十人十色で色々な楽しみ方がある。

作品自体にツッコミを入れたり、綺麗な色彩を愛でたり、有無を言わさぬ迫力に圧倒されたりなんでもOKだと思う。

見る側として共通しているのは「その作品をもっと知りたい」事だと思う。

 

作られた背景や作家自体を知ったり、作品の持つ意味を調べたりするのも楽しい。

特に現代美術は誰が見ても解かる表現が少ないので非常に調べ甲斐がある。

どんなきっかけでも美術館に足を運んで、自分なりの楽しみ方と好きな作家や作品を見つけられると良いと思う。

上野の森美術館 - VOCA展2016

 

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