古民家カフェって言うと、建物としての古民家を連想すけど、周りの環境まで”古民家”しているカフェは少ない。
カフェ自体は素敵な佇まいでも、周りが繁華街だったりすると少し寂しい気持ちになる。
(もっとも古民家カフェ自体の数が多い訳じゃないので贅沢は話ではある……)
伊豆半島の中でも修善寺は少し奥まった位置にある事もあって、ゴールデンウィーク初日でもそこまで混雑している印象は無い。
賑やかな観光地もテンション上がって楽しいけど、修善寺の様に閑静な観光地も中々趣深い。
ワサビのトッピングは罠か革命か?
観光地で快適に過ごす方法は「早めに行動する」と言う言葉に集約される。
昼時に昼食を食べようとすると、どこも混雑しているし長蛇の列に並ぶのは必至である。
観光地と言う不慣れな場所で、しかも限られた時間を有意義に過ごすには行列に並んでいるヒマは無い。
修善寺に来た一つの目的は”禅寺そば”を食べる事だったが、開店時間がまさかの10時と言う事もあって非常にスムーズに食べる事が出来た。
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非常に食べ応えのある蕎麦で、腹ごなしもかねて少し修善寺を歩いて”次”に備える。
電車の駅から修善寺の近くまでバスで来れば、後は徒歩圏内に観光できる場所が集まっているのが嬉しい。
修善寺。鐘撞堂が今までで1番カッコいい!! #伊豆半島の旅 #修善寺 pic.twitter.com/MqQfC0v5F5
— 箱根ヶ崎P.N.3@はてな (@pn3pn3) 2017年5月3日
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ウロウロと観光地を歩いていると目に入ってくるはいわゆる”ご当地モノ”である。
インターネットだSNSだと言っても、やっぱり現地に行って自分の琴線に触れた物をその場で食べるのは楽しい。
漬物の販売を主に行っている「亀屋」の店舗で見つけたのが名物の”豆腐ジェラート”と”十三焼き”である。
十三焼きは”おやき”の様に、ふわっとした皮に甘さ控えめな餡が嬉しい和菓子である。
緑茶とかと一緒に食べると絶対に旨いヤツだ。
問題は豆腐ジェラートの方である……。
ジェラートの購入時に「無料でワサビのトッピングを行っておりまーす!」と言われたが 正気か? 本当だろうか?
豆腐のジェラートだけでも珍しいが、そこに更にワサビをトッピング……。
郷に入っては郷に従え、当たって砕けろ。
新しい事へ挑戦する事を恐れてはダメだ、きっと修善寺ではジェラートにワサビを乗っけて食べるのが一般的なのだろう。
思い切ってトッピングをお願いすると、本当に目の前でワサビがすり下ろされ始める。
(ワサビも自生していた時は、まさか自分がジェラートにトッピングされるとは思うまい)
豆腐?アイス?ワサビのトッピングは罠か革命か? 名物豆腐アイスと十三焼き。 #伊豆半島の旅 #修善寺 #奇食 #豆腐アイス pic.twitter.com/rAqSvWELuZ
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そして程なく登場する十三焼きと豆腐ジェラートonワサビ。
十三焼きの方は大丈夫だけど「ジェラートにワサビかぁ……ワサビなぁ……どう見てもワサビだよなぁ……」と何回見てもワサビである。
抹茶餡とかでは無い。
とりあえず豆腐ジェラート”だけ”を食べてみる。
ひんやりシャリシャリな食感に、しっかりした豆腐の味を感じる。
当たり前ではあるが、成分無調整の豆乳の様な味だ。
少し暑い日だった事もあり、さっぱりとした味は非常に嬉しい。
今度はワサビと一緒に食べてみると、豆腐のさっぱり感にワサビの風味がプラスされて”冷ややっこ”の様な味だ。
醤油が掛かっていない分、やや味のインパクトが控えめだが上品な味と言えなくもない。
家まで持って帰る事は出来ないので、次回は醤油を掛けて挑んでみたい。
◆【参照Webサイト】
茶庵 芙蓉
腹ごなし、と言いつつ結局食べてしまったが当初の目的通り古民家カフェを目指したい。
”茶庵 芙蓉”は修善寺の観光地から少し離れた場所に有る。
事前に地図は確認していたが、実際に歩くのとでは訳が違う。
豆腐ジェラートを食べたお店から坂を上がって、小道を抜けてもりもり進む。
ちょうど昼時だからなのか、まったく人が居ないので店に対して方向が合っているのか、と言うより元の場所に戻れるのか軽く不安になる。
(時折り案内板があるので、間違っていないはずなのだが……)
歩き始めて20分。
源範頼(みなもとの のりより)の墓を目指して坂を上った先にカフェを見つけた。
ただ見た目はカフェと言うより古民家だ。
もっと言うと、家と言うよりも”庵”とか”隠れ家”と言う方が正しい気がする。
小高い丘の上に、木々に隠れる様にあるその様はまさしく”庵”だ。
そう言う意味では店名でもある”茶庵”と言うのは、嘘偽りが無くて好感が持てる。
世の中には残念ながら”名前負け”してしまっている物も多いが”茶庵 芙蓉”は、嘘偽り無く”庵”だ。
店の入り口、と言うには立派過ぎる玄関には銅鑼が吊るされており、それが呼び鈴代わりになる。
ぐわぁんぐわぁん叩かなくても、ちゃんと人が出てくるので軽く叩けば良い。
(銅鑼をお叩きください、とかお洒落過ぎる!)
店内、と言うのはこちらも立派過ぎるが、シンプルに座布団とテーブルが3組あるのみだ。
余計な装飾が無くても窓越しに見る庭が綺麗で全く退屈しない。
ただ木が茂っているだけじゃなくて、たまに鳥が飛んできて鳴き声が聞こえるのでもうそれだけで涼しい気持ちになる。
(なんて事の無い風景だが、店の雰囲気を相まって、相当くつろげる)
冷抹茶(季節の上生菓子付)
抹茶・・・店内で点てた抹茶。抹茶が冷たいだけじゃなくて、器もしっかり冷やされているので、ひんやり感がキープされる。点てたての抹茶の香りが堪らない。
季節の上生菓子・・・5月という事で兜の生菓子。地元の和菓子屋さんから取り寄せているお菓子は味も外さないが見た目も外さない。季節感がありつつ、可愛らしい見た目に食べるのを躊躇する。
抹茶×和菓子の最強コンビネーション
紹介の所でも触れた通り、抹茶の器がひんやりしているのに驚かされる。
熱い物を入れる時に事前にお湯を入れて温める事はあるが、事前に器を冷やしていたのは初めてだ。
そして、冷えた状態でも抹茶の香りがするのが堪らない。
(お抹茶、美味過ぎる!)
抹茶の味は濃すぎず、でもしっかりと抹茶の味を楽しめる。
たまに抹茶と言われて提供されても、妙に水っぽい抹茶が出てくる時があるがそんな心配を吹き飛ばす様な味だ。
静かな環境で心行くまで抹茶の味と、のど越しを楽しめる。
抹茶の話ばかりしているけど、和菓子も忘れてはいけない。
抹茶の味を引き立てる様な、ほのかな甘さがとても美味しい。
縁側と庭を見ながら、抹茶と和菓子を食べていると日本に住んでてよかったなーと、しみじみ思う。
(なんて事の無い天井も味わい深い)
この場所はどの国のどんな人が来ても同じ景色が見られるけど、この景色を見て「いいなー」って思える感性は日本人ならでは、だと思う。
そんなに頻繁に来られる場所では無いけど、また伊豆に来た時は芙蓉に寄りたい。
未確認だけど縁側のガラスも、明治~大正時代に作られた手延べガラスだと思われる。
近くで見ると、微妙に波打っているガラス越しに見る庭はどこか懐かしい、ノスタルジックな感じがする。
今は生産していない筈なので、割れたらもうおしまいである。
(写真では伝わりづらいけど、微妙に波打ったガラスが味わい深い)
新緑が目にも眩しい季節だけど、あえて冬、それも雪が降った時とかに来てみたい。
結構大変な道のりになるかもしれないけど、雪景色の庭をみてみたいと強く思う。
それでは、また。
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茶庵 芙蓉
営業時間:10:00~夕方
定休日:不定休 (駅から少し歩くので事前に要確認)