先日、雑談から膨らんで将棋の話になった。
その時にもっぱら話題に挙がったのは、「初期配置における香車の位置」だ。
縦方向へ無制限に動ける香車の前方に、歩を配置するのは戦略的にいかがなものか? と言う事である。
前回に続き将棋は「ど」が着く素人の雑談エントリー。
【2017.02.18 文字と記事の体裁を修正】
専守防衛作戦
先日のエントリーでは、香車の不遇さとその前にいる歩の不憫さについて考察した。
今回は一歩踏み込んで積極的に、香車を用いた戦術について考えたい。
◆【関連記事】
香車が初期位置のままでは活躍の機会は薄いが一歩動かす事で「穴熊」の配置につく事が可能だ。
(硬い守りの代表格、穴熊囲い)
端の香車を一つ前に動かし、その下に玉を動かした形が、熊が穴蔵に潜るように見えることからこの名が付いたといわれる。古くは「岩屋」「獅子のホラ入り」とも呼ばれていた。
いわゆる振り飛車穴熊は江戸時代からある戦法であるが、以前はプロからの評価は低く、「穴熊などやるようでは強くなれない」[1]という偏見もあった。しかし、1970年代に入ると大内延介らによってその優秀性が示された
盤の隅に駒が密集し、見るからに堅牢なのが解かる。
無傷で崩すのは非常に難しそうである。
左下に延びた歩と角金がどことなく大砲の様に見え、ドラえもんの無敵砲台を彷彿とさせる。
(ストレートな名前が返って強そうに感じられる無敵砲台の全景)
しかし、良く考えてみるとこの位置に置く駒は、別に香車でなくても良いと思われる。
玉の上に香車が居るのは、単純に同列に歩を置くことが出来ない「二歩」による所が大きいのではないだろうか?
香車は前方の歩が取られた際のいわば後詰であり、ななめ前方への対応は隣の銀が待機している。
香車は単純に1マス前の事を考えていれば良い訳で「二歩」を無視すれば別に歩でも良い。
なにやらルールに助けられている用で若干男らしくない。
せっかく使うのであれば、特性を生かした香車ならではの「攻め」の作戦を取りたい。
※香車は穴熊に必須との意見もあります。
■「穴熊囲い」の堅さの秘訣は香車!
”穴熊囲い(あなぐまかこい)”という玉の守りで、香車はなくてはならない存在です。
香車がいない穴熊囲いは、端攻めで守りを突破されてしまいます。
穴熊囲いは、玉が盤の端にくるので
端の守りを破られると、玉が簡単に追い詰められてしまいます。
強襲!スズメ刺し戦法!!
もう少し掘り下げて探してみると香車の特性を生かしつつ、非常に攻撃的な戦法を見つけた。
これならとっても男らしいので、きっと若い女性にも大人気!
その名もスズメ刺し戦法。
雀刺し(すずめざし)は、将棋の戦法。「スズメ刺し」とも表記する。
先手番の場合、1筋に飛び道具と呼ばれる飛車・角・香などを集中させ、一点突破を狙う作戦。▲1七香、▲1八飛、▲6八角または▲7九角、▲2五桂の位置に攻め駒を移動させ、1三の地点に集中させる。
(香車が蝶の様に舞い、蜂の様に刺す!)
香車の初期位置を生かしつつ、攻めの要とも言える飛車をまさかの後詰にし、敵陣の一点突破を狙う。
考え様によっては「ここは俺がおとりになる! 後は頼んだぞ!!」と、飛車に全てを託し生還の望みの無い戦いに挑む様で非常にヒーローっぽい。
歩が取られても、香車が。
香車が取られても飛車が取り返す三段構えの配置に、作戦運用の妙を感じて良い。
ただ、これでは最後尾の飛車がオイシイ所を持って行ってしまい、ある意味飛車の噛ませ犬的な扱いになってしまう。
ドラゴンボールで言うところのピッコロさん的な扱いか?
やはり香車単体で、なおかつ初期配置を生かした戦い方は出来なのか……。
ゲルドルバ照準を狙え!
先日のエントリー後、あきさねゆさんからアドバイスを頂いた。
囲いのそばでない方の香車は相手の飛車や角に取られてからが、役割の始まりですからね〜。槍というよりは、ソーラ・レイとかそんなイメージです。
初期配置での活躍は諦め、単純に香車単体で活躍する方法を模索したい。
やはり、人にも駒にも適材適所と言う物はあるのである。
幾つか見てみた中では先のスズメ差しの応用で「香の田楽刺し」があった。
若干、作戦名が料亭のお品書きっぽい。
田楽(でんがく)とは、こんにゃくや厚あげ、なす、さといもなどを串(くし)に刺して焼いた料理のことです。香車を串に見立て、相手の駒(食材)を串刺しにするイメージから、この名があります。この技が決まった時は、とてもいい気分になりますよ。
要は相手の駒が2つ連なっている時でなおかつ自軍の駒が香車の直線上に居ない時に使える技だ。
持ち駒で香車が居る事が前提だが打つ場所が決められる分、先のスズメ刺し戦法より自由度が高い。
相手の持ち駒に香車がある状態で、不自然に歩を突出させてきたら注意が必要だ。
迂闊に歩を取ると即座に香車の道筋を作る事になり、田楽刺しになる恐れがある。
あえて自軍の駒を敵軍に隣接させて、その後直線攻撃で仕留める様は正にソーラ・レイその物と言える。
ソーラ・レイ
直系8キロの巨大なスペース・コロニーそのものを砲身としている事もあり威力は絶大だが使いどころは難しく、照射対象となる艦隊が縦一列に配置されていなければその破壊力を発揮出来ない。
その為、予め照射対象の進行ルートを予想した上で、かつ相手に悟られないように発射しなければならず、その存在は実際に発射されるまでジオンの最重要機密として用いられた。
一年戦争終盤、緻密な計算によって放たれた一撃は連邦軍艦隊の半数を沈め、指揮官のレビル将軍をも葬ったが、この時ジオンのデギン公王も和平で赴いており、総帥のギレン・ザビはそれを承知の上でデギン公王もろとも殲滅するために発射した。が、これが口実となり、ギレンは実妹キシリア・ザビによって抹殺される事になる。
一直線な攻撃、使いどころの難しさ、味方の犠牲もいとわずと男らしいとか以前に極悪である。
非常に、非人道的な戦法と言えよう。
香車が活躍するどころか、強力すぎる大量破壊兵器の様になってしまった。
そんな兵器はいっその事、封印して両者「香車落ち」で対局してはどうか?
将棋は上達すればするほど、香車・桂馬・歩の使い方が上手くなると言われている。
頑張れ香車!
「君、香車の使い方上手いねぇ」と言われるその日まで!
それでは、また。
※この記事は、あきさねゆうさんのアドバイスをを元に作成しました。
ありがとうございます。
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他にも四方山話の記事、あります
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