仕事で岐阜に行く用事があって、その次の日に少し時間があったので岐阜市を散策してきた。
岐阜県と言っても北側の飛騨地方と南側の美濃地方と元々は別の国だったので、飛騨地方出身者の自分にとって美濃地方に属する岐阜はアウェーなのである。
世が世なら敵地である。
今回はサンドニさん(id:sandonigifu)とにゃんすさん(id:nyansu-nyan)のオフ会に飛び入りで参加する形だ。
お二人と遊ぶついでに岐阜駅周辺のB~Z級スポットを紹介してもらった感じになる。
岐阜県自体が全体的にちょっとダメっぽい感じがして、いわば県自体がB級スポットといっても良い。
その県庁所在地である岐阜市自体もしっかりB級感、部分的にはZ級といっても過言ではないアンダーグラウンド感があるのでやっぱり県庁所在地はすごいと思う。
黄金の織田信長公
岐阜駅北口を出るとまず目に入るのが黄金の織田信長像である。
かなりの高所から岐阜駅の利用者を睥睨する織田信長公のインパクトは、初めての岐阜駅利用者にとっては脳裏に鮮明に焼き付くだろう。
戦いは先手必勝、さすがに天下統一まであと一歩と言う所まで迫った人物である。
ちなみにこの織田信長像、地元の有力新聞紙である岐阜新聞と中日新聞の勢力争いの象徴としての側面も持っている。
(元)一県民としてはどうでも良い。
岐阜では、この中日新聞と岐阜新聞が熾烈なシェア獲得合戦を長年繰り広げています。
岐阜新聞が岐阜放送(ぎふチャン)を作って、県内のラジオ・テレビを押さえると、中日新聞はラジオ・テレビ欄でぎふチャンを意図的に小さく掲載したり…。
柳ヶ瀬に中日新聞がビルを建てて目立つようになると、今度は岐阜新聞が岐阜放送をJR岐阜駅の駅前に移転してさらに目立たせ…。
岐阜新聞が長良川でこの地方最大規模の花火大会をやっていたところへ、その一週間前に中日新聞も同規模の花火大会をやるようになり、同じ日に岐阜新聞は大垣の花火大会をぶつけるようになったり…。
JR岐阜駅前の「黄金の信長像」は誰が何の目的で建てたのか?写真を撮るとそのヒミツがわかる? | TOPPYのネットでごはん
岐阜入城・岐阜命名450年まであと175日と言うおめでたいんだか、なんだかよく解からない記念日も含めて秀逸な像である。
岐阜シティー・タワー43
岐阜駅に隣接する、商業施設ビルで。
英語表記では「GIFU CITY TOWER 43」となるので、無理矢理略すなら「GCT43」になると思う。
が、都市名ではない上に48ですらないのでもはやなんの意味もない。
低層階は飲食店や衣料品店が入っているが、一番おすすめなのが最上階である。
48階までは無くても地上43階から見下ろす岐阜市の眺めは絶景だ。
なにげに岐阜市のみならず、名古屋のツインタワーまで見えるので「あー、やっぱり岐阜市って平地なんだぁ」とあらためて岐阜市への思いを馳せる事ができる。
GCT43側もこの眺めをプッシュしている様で最上階への入場料は無料になっている事や同施設のエレベーターからもその姿勢が伺える。
(2から一気に43が表示されるのも、中々お目にかかれない光景である)
もはやプッシュと言うよりゴリ押しに近い物を感じる。
43階建てのビルでボタンがたったの4つである。
なにかと悩みの多い現代、選択肢を多くして無用な煩わしさを削減しようという細やかな気づかいが感じられる。
ゴリ押しプッシュするだけの事はあって、その眺めは非常に気持ち良い。
隠し通路の様にビルの反対方向にも行けるのでまた違った眺めが楽しめるのも嬉しい。
なんだかんだ言って高い所から街を眺めるのは楽しいものである。
ただ、ふと下を見ると気になる箇所があった。
綺麗な町並みの一角にちょっとうらぶれた一角がある。
黒く煤けた建物は周りの白いビルと比べて目立つ。
シムシティでどれだけ人口が増加傾向でも発生してしまう廃墟の様でテンションが上がる。
往年の九龍城や南米のファベーラの様にも見える。
九龍城砦
九龍城砦(きゅうりゅうじょうさい)は、現在の香港・九龍の九龍城地区に造られた城塞、またはその跡地に建てられていた巨大なスラム街を指す呼称。広東語で「ガウロン センツァイ」と呼ばれてきた。
ファヴェーラ
ファヴェーラ(ファヴェラ、favela)は、ブラジルにおいてスラムや貧民街を指す言葉。ブラジルのほぼすべての大都市および中規模都市の郊外には、不法居住者の建てた小屋の並ぶファヴェーラや、既存の町がスラム化したファヴェーラが存在する。
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繊維問屋街
産地の始まり 昭和21~23年頃
戦争で焼け野原となった国鉄岐阜駅前(現・
JR岐阜駅)に、北満州(今の中国東北部)からの
引き揚げ者たちが中心となってバラック小屋を作り、
古着や軍服などの衣料を集めて売りました。これは
ハルピン街とよばれ、岐阜問屋街の始まりとなりま
した。
昭和23年頃からは、古着ばかりでなく、布を一宮
や羽島から仕入れ、新しい服を作って売るという、
岐阜の既製服産業(アパレル産業)が始まりました。
岐阜市の繊維問屋街としての歴史は戦後から始まり、高度経済成長期を経てオイルショックを乗り越えた問屋街も、今はシャッターを降ろした店が軒を連ねている。
なんて話は岐阜界隈では、ちらほら聞いていたけど実際に行ってみるのは始めてである。
ぶっちゃけ県庁所在地のターミナル駅から徒歩数分の所にこの景観が広がるのは結構すごいと思う。
日曜日の昼間なのに、あたりは殆ど誰も無い街の中に居ると不思議な感覚に陥る。
普通は人が居る日常空間なのに、曜日が変わるだけで非日常空間に変わるのが面白い。
3月11日から上野の森美術館で開催される現代美術展の平面に対する攻め方が半端じゃあない!
スチームパンクとはちょっと違うけどひなびたと言うか、寂れた感じが好きな人にはお勧めしたい。
ちょっとサイレントヒルの「裏世界」みたいでテンションが上がる。
それとも日本だからサイレンの方が近いか。
『サイレントヒル』 (SILENT HILL) は、コナミ(後のコナミデジタルエンタテインメント)から発売されたホラーゲーム、およびそのシリーズ。ジャンルはホラーアドベンチャー。2013年7月時点でのシリーズ全世界累計販売本数は840万本[1]。
SIRENは昭和78年(作中では「昭和」の年号が続いている設定である)の日本を舞台に、土着的・民俗的なモチーフを題材とした3Dアクションホラーゲームである(パッケージには「ジャパンダークサイドモダンホラー」と明記されている)。一種のテレパシーのように敵が見ている映像を盗み見る、「視界ジャック」というシステムを特徴としている。ストーリーやビジュアルには、和製ホラーのドラマや映画からの影響が数多く見られる。難解なストーリー構成や謎をあえて残したまま終わるエンディング、また近年の和製ゲームの中でも群を抜いた難易度などは賛否両論あるものの、ホラーゲームには珍しい日本的テーマや独特のストーリー、挑戦的なシステムなどから一部で熱狂的な人気を集めた。
特に興味がなければ古いアーケード街だけど、少し味方を変えると昭和の香りがまだ十分残る趣深いスポットだ。
今回、一緒に行ったサンドニさんもにゃんすさんも同好の士だったのでじっくり満喫する事が出来た。
写真はスマホでの撮影だがちゃんとしたカメラで撮れば、同じ景色でも全然違う見え方になる。
同じ場所を撮影された方のブログがあったので、そちらを見ると柳ケ瀬商店街がより、味わい深く感じる。
【外部リンク】繊維問屋街と柳ヶ瀬商店街に行ってきた(岐阜県) - Sakak's Gadget Blog
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みそかつ 一楽
岐阜駅から車でほんの少し移動した柳ケ瀬商店街の中にあるお店だ。
店自体非常にコンパクトな作りになっていて席は一列に並んだカウンターのみ。
綺麗でおしゃれな店が旨いとは限らないので、その佇まいから早くも期待を高めながら店内へアプローチ出来る。
店の前にメニューがあり、ランチのセットは平日限定の様だ。
魅力的な組み合わせが多かっただけに非常に残念である。
まったく持って個人的な傾向だが、最近このタイプの看板でメニューを外出ししている店でハズレは無いので再度期待が高まる。
主にみそかつに絞ったメニュー展開が、味へのこだわりと店内でのオペレーションをスムーズにする事を予想させる。
銀座近くの警視庁高速道路交通警察隊新富分駐所食堂のひなびた観光地感がすごい
みそかつライス
みそかつ・・・東海地方のソウル、赤味噌がかかったとんかつ。かつが2枚あるので見た目にも実際にもボリューム感がある。赤味噌は付け合わせのキャベツとの相性も抜群。
ごはん・・・濃い味付けの料理の友、白いごはん。比較的量があるが、更に大盛りorおかわり1回無料なのが嬉しい。心行くまでみそかつを味わう為には欠かせない存在。
付け合わせ・・・定番の漬物。味付けが濃いので口をさっぱりさせる名わき役。
汁物が別料金なのが少し寂しいが、750円と言う価格を考えると十分なボリューム感である。
もういっその事、赤だしを頼んで900円で勝手にセットにしても良い感がある。
味噌は名古屋の八丁味噌よりも、とろっとしており、どちらかと言うとソースに近い。
しかし、そうは言ってもやっぱり味噌。独特の甘辛い味をたっぷりとかつに絡めてごはんと食べるのがたまらない。
このみそかつ&ごはんのチェーンコンボは非常に強力だと思う。
都内では矢場とんが有名ではあるけど、価格帯がやや高い為手軽には食べられない。
そんな時に750円で食べられるのは非常にありがたい。
【外部リンク】名古屋名物みそかつ 矢場とん - 名古屋と言えば「みそかつ」。「みそかつ」と言えば「矢場とん」
老舗なので、常連さんらしき方が「みそかつライス・オムライス・豚汁」と注文していて非常に驚いた。
みそかつとオムライスのハーフ&ハーフのセットでもあるのかと思ったが程なくして運ばれてきたのは「みそかつ」「オムライス」「豚汁」である。
すごいぞ。
小さな店舗と絞り込んだメニュー、名古屋とは一線を画すみそかつ。
一楽は昔ながらの定食屋の雰囲気を残す、と言うかそのまんまの非常に味わい深い食事処だ。
アトリエ&ギャラリーショップ やながせ倉庫
色々な作家さんの作品が展示&販売されているアトリエである。
時間の都合もあって併設されているカフェには行けなかったが、静かな雰囲気で是非次回は行ってみたい。
入口はちゃんとしているけど一歩入ると、「千と千尋の神隠し」の湯屋の様にレトロなごちゃごちゃ感が味わえる。
倉庫内も色々なスペースにそれぞれの店舗や作家さんが個性を遺憾無く発揮しているの
古い建物を改装したり、そのまま使っているので前述のごちゃごちゃ感と合わせて大人の秘密基地の様でとてワクワクする。
これが店の裏とかじゃなくて、歴とした店舗の中である。
配電盤がむき出しだったり、建物に絡みつくケーブル・パイプ・コード類がカッコいい。
滞在時間は短かったが、次回はもっとじっくり見たいスポットである。
同じような「作家を集めて共同アパートの様なアトリエを作る」コンセプトの場所は都内でも負けずに存在して、やっぱり独特のごちゃごちゃ感が楽しい。
【外部リンク】清澄白河にあるレトロな建物-fukadaso(深田荘)
駆け足で幾つかの場所を回りながら、岐阜の良さを再発見する事が出来た。
洗礼された都会的な魅力は薄いかもしれないが、田舎独特のちょっとだめっぽい魅力に溢れた岐阜がなんだかんだと言っても好きだ。
この他にも舞子さんが居るかき氷屋があったりするので、やっぱり岐阜はすごいのである。
(今回岐阜駅周辺を案内して頂いたサンドニさんとにゃんすさん、ありがとうございました)
それでは、また。