学生の時に何度か東京に遊びに来た事がある。
田舎の学生は東京に来る回数が増えてくると多少色気を出して通ぶってくるので始末に負えない。。
「東京のちょっとイイ店知ってんだよね」とか岐阜で吹聴したくなるので非常に厄介である。
岐阜で言った所ですぐ行ける訳も無いので若気の至りで背伸びしたい年頃だったのだと思う。
今見かけたらぶん殴ってやりたい。
とにかくそんな当時、ちょっと通ぶって行った場所が”裏原宿”である。
”裏”と言う怪しげな響きにちょっぴり大人の雰囲気を感じていた。
それから月日は流れて現代、表参道から少し道を入った場所に美味しいパニーニのお店があると聞いたので行ってみた。
裏なのか表なのか?
店舗には看板が無い場合(外の入り口の床にショップの刻印が小さく施されている等)や地下に店舗を構えている場合も多く、外見上から店舗と判断出来ない事もある。また、出入り口が複数ある店舗が多い。店内では店員と購買客との区別が付けにくく、積極的な売り口上も見られない事がある。
裏原宿はちょっとアンダーグラウンドな感じもするので当時はそこが良いと思っていた。
”ちょっと通っぽい店知ってるんだよね”感が欲しかったのだろう。
記事を書く場合は大体タイトルから書き出す様にしている。
タイトルの書き方で記事のスタイルを決めているからだ。
ただ、決めたは良い物のはたして”裏表参道”なるものはあるのか気になって調べてみると……。
裏参道があるらしい。
あたりまえであるが”裏表参道”は無い。
以前どこかのバス停だったと思うが「○○駅北口・南」とか「下○○・上」とか”シモ”なのか”カミ”なのか解からない物があったのでそれ的な感じかと思ったら違った。
(表参道があるなら裏参道もあるか……)
【外部リンク】知る人ぞ知る隠れスポット!表参道の「裏参道ガーデン」って知ってる? | RETRIP[リトリップ]
去年辺りから”オクシブ”いわゆる渋谷駅から歩いて15~20分程度行った場所にあるカフェや雑貨屋がブームだ。
あと都内では銀座から新橋・日比谷の辺りのエリアが奥銀座と言われているらしい。
あの衝撃的な異”食”コンビのブルーチーズ・ホットサンドを食べた辺りだ。
これは期待できそうである。
【外部リンク】苦手克服? 銀座 THE CITY BAKERYの異”食”コンビのホットサンド
”パンとエスプレッソと”でパニーニを
JRで行く場合、最寄り駅となる原宿駅から結構歩く事になる。
竹下通りはいつも通り大混雑なのでサッと進む様にしたい。
表参道のアップルストアの辺りまで来ると多少、人通りも減り歩きやすくなる。
そこから更に横道にそれ、5分程歩いた場所が目的地になる。
原宿は元より表参道も結構な観光地だが、ここまで来るとぐっと人も少なくなり比較的静かである。
テラス席+店内にテーブルがあり、30人程度なら座れるこぢんまりした佇まいである。
店名共々とても可愛らしい。
また、店舗奥でパンを焼いてそのまま販売しているので店先に並んだパンが食欲を誘うと共に、店舗装飾を兼ねているがカッコイイ。
(画像は公式Webサイトより)
そしてお馴染の外看板。
昭和の定食屋からNY発のベーカリーショップまでこの”外出し看板”のある店は今までずっとアタリを引いている。
これはますます期待できそうだ。
銀座近くの警視庁高速道路交通警察隊新富分駐所食堂のひなびた観光地感がすごい
テラス席に案内され、メニューを渡される。
食べに行く前に”何が美味しいのか?”くらいは事前に調べて行くが、全て把握する訳ではないのでこのメニューを見る時のワクワク感が堪らない。
注文し終わってからもつい見てしまう。
メインはパニーニで9種類ある中から1つを選び、それがプレートに乗って出てくる用である。
種類はアンチョビ・生ハム・ツナ・ひよこ豆等9種類の中でも非常にバリエーションが豊富だ。
商品写真の横にサンドされている物が記載されているのでついうっかり苦手な物が入っている”誤爆”を防止できる配慮が嬉しい。
王道にミラノサラミにしたい所だが生ハムも気になる。
ただ、コットハムと言う食べた事の無いハムがあるのでそれも捨てがたい所だ。
むしろモルタデッラハムと言う中世の画家の様な名前も気になる。モルタデッラハムとは一体……?
散々悩んで生ハムとパルミジャーノのパニーニを注文する事に。
モルタデッラハムの謎は次回へ持ち越しである。
生ハムとチーズのコラボレーション
生ハムとパルミジャーノのパニーニ
パニーニ・・・イタリア北部発祥のパンであるチャバタで生ハムとパルミジャーノをサンド。生ハムとチーズの相性が抜群なのは言うまでもない。更に生ハム・チーズ連合に粗微きの黒コショウが加わり盤石の布陣だ。最後にチャバタとの架け橋をオリーブオイルが行い、食べた一口目からパン・チーズ・生ハムの一体となった味が楽しめる。
人参のサラダ・・・細切りにした人参とお豆を恐らくオリーブオイルであえて更にドレッシングが掛かっていると思われる。あっさりした味ながら人参の味とお豆の食感が嬉しい。
焼き菓子・・・デザート的に焼き菓子もスタンバイ。食後にコーヒーやエスプレッソと食べるのも良し。甘さ控えめなので食後の一杯に最適だ。
パニーニ自体あまり食べた事は無かったが一口食べてみて非常に美味しかった。
ハンバーガーは色々な具材が挟んであるけど、一番のメインは肉だろう。
食べてみて「おお、このレタスうんめぇー!」ってなった事が無い。
何故なら一番の主役は肉に決まっているからだろう。
肉の主張が強いので他の物は添え物……っ!
対してパニーニは突出したメンバーは居ないが生ハムが主攻、チーズが副攻、黒コショウとオリーブオイル、チャバタがサポート役。
いわばメインは居ないが全体主義、全員が主役と言っても良い。
誰一人欠けてもこの味は出せない絶妙な味わい、運命共同体……っ!
生ハムやチーズに目が行きがちだが、味のサポートが無ければバラバラな味になってしまう。
しかし、一見地味なオリーブオイルや黒胡椒が無ければこの一体感は出ないと思う。
パニーニを食べた後は店内でパンを買いたい。
店内で焼いているパンはどれも美味しそう、と言うより今しがた食べて美味しいのは十分堪能したので間違いない。
パニーニも持ち帰られるがせっかくなのでまだ食べていないパンを選んで堪能したい。
ヒルズやブランドショップが並ぶ表参道に比べてこれと言ったランドマークは無いが都会の喧騒を忘れて静かに時間を過ごせる場所が裏参道になる。
来る途中に文房具カフェなどちょっと変わったお店もあるのでカフェ自体も魅力的だが、裏参道自体また来たい魅力を持っている。
ただ、そもそもこの場所を裏参道と言って良いのか解からず仕舞いではある。
それでは、また。