石川県の県庁所在地、金沢市。
岐阜県からほど近い場所ながら交通の便の関係で「近くて遠い」印象がある。
全ては岐阜県の大動脈”国道41号”が富山に繋がっているので大抵の用事は富山で済んでしまうのでいけないと思う。
それはともかく、2016年の年末から'17の年明けにかけて岐阜県縦断の旅を行った。
年末から年明けを跨いで”岐阜県縦断の旅”を実行予定。中津川方面から岐阜県入りし、そのまま北上、高山を経由して北上を続ける。
— 箱根ヶ崎P.N.3@箱屋 (@pn3pn3) 2016年11月30日
日程的に年末しか予定が空かないのでかなりの強行、と言うか無謀なスケジュールなのは百も承知。やる事に意義がある。 #岐阜県縦断の旅 pic.twitter.com/esllPDderx
東京を新幹線”ひかり”で出発し、名古屋を経由した後に岐阜県を縦断し、金沢から新幹線”かがやき”に乗って帰宅した。
金沢自体に滞在する時間は短かったが観光や”食”に関しては十分満足する事が出来た。
それには金沢駅に併設された「金沢百番街」の存在が大きいと思う。
飛騨高山から金沢へ
あまり需要は無いと思わるが、岐阜県から金沢に行くルートはいくつか存在する。
岐阜県に居を構える方であれば車でのアクセスが一番手堅い。
それ以外で観光に訪れた場合は電車かバスによる移動が選択肢に挙がってくる。
出発地点や荷物の有無にも寄るが今回は飛騨高山が起点となる為、バスをチョイスした。
高速バスにて次の目的地へ移動!いよいよ岐阜県縦断。 #飛騨高山 #岐阜県縦断の旅 pic.twitter.com/VWoSg8RJ8l
— 箱根ヶ崎P.N.3@箱屋 (@pn3pn3) 2017年1月2日
大きな理由は2つ。
- 電車では乗り換えが発生するがバスで行く場合は必要無い
- 料金が若干だが、バスの方が安い。
旅行ともなれば、普段出かけるよりも当然荷物は増える。
荷物を持って歩く時間を極力減らしたい事と同じくらいの移動時間(約150分)だが、料金が1,000円弱安い事がポイントだ。
(写真は濃飛バス公式Webサイトより 2017年1月現在の料金です)
【外部リンク】濃飛バス公式サイト | いい旅、そしていい出逢い。『濃飛バス』
バスで高山→金沢間を移動すると副産物的に白川郷の観光が若干だが可能だ。
トイレ休憩の10~15分程だが、白川郷集落のど真ん中に停車する為、合掌造りの建物をちょっぴり見る事が出来る。
岐阜県に住んでいてもあまり見る事は無いので僅かとは言え、見られるとテンションが上がる。
対して電車では移動時間はほぼ同じ、料金が4,000円程度で乗り換え有り、とやや分が悪く感じる。
ただ、電車の利点は”よほどの事が無ければ時間通りに到着する事”だろう。
冬場は路面の凍結による事故や年末年始等のラッシュともなれば高速道路が混雑する事も予想される。
そう、高速バスは道路状況に左右されやすい乗り物だ。
ただでさえ時間が限られる旅行中に事故でバスが3時間遅れになりました、とか目も当てられない。
週間予報等で当日の天気を確認して、移動手段を見当したい。
晴れて来たので今日もスムーズに動けそう! #岐阜県縦断の旅 #飛騨高山 pic.twitter.com/YNoWxkTITt
— 箱根ヶ崎P.N.3@箱屋 (@pn3pn3) 2017年1月1日
金沢百番街
金沢百番街(かなざわひゃくばんがい)とは、石川県金沢市にあるJR金沢駅の高架下を利用した商業施設である。合計で100店舗を超えるテナントが集積している。JR西日本の子会社である金沢ターミナル開発が1991年(平成3年)3月20日に開業させた。前身は金沢駅の地下で営業していた「金沢ステーションデパート」である。北陸新幹線開業に合わせて、全面改装と駅舎の耐震補強工事が順次進められている。
金沢駅に隣接する、と言うかもう一部の感がある商業施設である。
駅弁からみやげから食事まで手軽に金沢を楽しめる施設だ。
箱根ヶ崎はどちらかと言うとショッピングモールが苦手で、どこにでもあるショップが入っていたりしてあまり”その地方ならでは”が体験できないのでは? と思っていた。
ただ、金沢百番街に限ってはガッツリ裏切られる事になる。
岐阜で生活していた時は車で移動するので、食事はここ、買い物はここ、観光はここ、と行きたい場所が散在していてもあまり問題ではなかった。
しかし、今回は主な移動手段は徒歩。
公共交通機関があるとは言え、不慣れな土地で不用意に歩き回るのは避けたい。
そんな時に”金沢百番街”はコンパクトに金沢の魅力が詰まっていて非常に嬉しい。
特に飲食面においては金沢滞在中、終始お世話になる事になる。
今回の旅行が年末年始だった事もあり、行こうと思っていた店が年末休業だったりした事もあり、非常に重宝した。
(実際に市内のおでん屋「三幸」の前まで行って正月休業を知って途方に暮れた……)
観光面は金沢市の主要な観光地は駅を基点した路線バスにより網羅されているのが嬉しい。
バスは東京で言うところの山手線的にぐるぐると巡回しており、行きたい施設と逆方向に乗ったとしても座っていれば、いつか到着する。
1泊2日の旅行ではあまり欲張ると全部が中途半端になるか、すげーせっかちな旅になるので程よい”余裕”が必要なのだと思う。
路線バスはフリーパスも発行されており、観光中はお世話になりっぱなしだった。
比較的、運行間隔も短い上に運転手さんによっては最寄の観光施設や駅へ戻る際のバスの案内までしてくれるので是非活用したい。
金沢のバス、中程にモニターがあってめっちゃわかりやすい! #金沢 #岐阜県縦断の旅 #金沢のバスが使いやすい pic.twitter.com/aNIiSrFF2a
— 箱根ヶ崎P.N.3@箱屋 (@pn3pn3) 2017年1月2日
【外部リンク】城下まち金沢周遊バス|観光に便利なバス |北陸鉄道株式会社
冬はやっぱりおでんと日本酒! 黒百合
冬と言えばおでん、金沢と言えばおでん。
「金沢おでん」と言う物がある事を知ったのは最近の事である。
静岡のおでんは聞いたが事があるのだが……。
出先、と言うか旅行に行った際もステーキ! とかバイキング! とか選ばなくなって”おでん”とか”魚料理”とかを選ぶ事が多くなった。
大人になったというか歳をとったと言うか。
感慨に浸るのは人それぞれだろう。
それはともかく、「金沢おでん」の存在を知ってからは行った時は必ず食べておきたい物の一つに入っていた。
金沢百番街に店を構える「黒百合」は昭和28年創業の老舗である。
駅ビルに入っているお店はなんとなく最近出来たばっかりの”チャラい”イメージがあったが全力で謝りたい。
力強い看板と共に風格のある佇まいがおでんへの期待を高める。
店内はカウンターとテーブル席があるが、生憎と満席に近い状態の為テーブル席に案内される。
おでん屋には何度か行った事があるが、まだ”おでん屋のカウンター席”に座った事が無い。
出来れば目の前で煮えているおでんをチョイスして、注文をしてみたいのが人情である。
この日は正月期間と言う事もあり、お祝いとしてお店のおごりで日本酒をご馳走になった。
あまり日本酒は飲みつけないが、やや辛口ながら日本酒独特の後から来る辛さが控えめで非常に飲みやすい。
臭いもあまり無く特徴の無いのが特徴の様なスッキリとした日本酒だった。
店員さんに聞いた所、「通 (つう)」と言う名前との事。
「通」と言う、酒好きな人が飲みそうな名前の割にめちゃくちゃ飲みやすい日本酒である。
金沢おでん
肝心のおでんだが、関西風のうすい出汁に”ひたひた”な具がどれも非常に美味しい。
黒百合の公式Webサイトに寄れば、石川県金沢市は日本一おでんが食べられる地域との事だ。
出汁が薄いお陰で素材の味を消さず、出汁と素材の味のコラボレーションを楽しめる。
アクセントとして、からしを適宜つけて食べるともう止まらなくなる。
東京ではあまりお目にかかれない”赤巻き”が一際目を引く。
赤巻き自体はカマボコなので味をそれほどしないが前述の薄めの出汁と相まってお正月のお雑煮の様な味わいがある。
写真奥の帆立も珍しい。
おでんの海鮮系はタコやイカ天は食べた事があるが、まさかの貝類登場だ。さすが加賀百万石である。
こちらも帆立の味に薄めの出汁が絶妙に合い、和食のお吸い物の用である。
大きめな身が一つの串に2つも着いているので、2つ目はからしをつけて食べる。
これはこれで、からしの辛味が空腹を刺激してまた食べたくなる。
海鮮系にからしはアリである。
おでんで何気に好きな具が牛煮込みである。
串にお肉が並んで刺さっているのが可愛いらしい。
肉と言うと”焼く”イメージがあるがおでんは”煮込む”のだ。
いつもと違う感じがして良いでは無いか。
あ、あとやっぱり魚は日本海だよね、お刺身だよねと追加で注文を入れる。
とりあえず、オーダーが間違っていないか2秒くらい考える。
お刺身は理解できるとして、思ったのと牛煮込みが違う……?
焼き鳥みたいなイメージだったが、お皿に取って出てくるとは……。
味が2種類あったのでそれぞれ頼んだが、結構な量である。
作戦ミス、か……?
写真左がねぎ掛け、右は味噌掛けだ。
脂っこいかと思ったが、やっぱり薄味の出汁と相まってとってもあっさり。
肉も程よく煮込まれやわらかい事に加え、上に掛かっているねぎが口の中をさっぱりさせてくれる。
作戦ミス、いいじゃん!!
味噌掛けの味噌は名古屋の赤味噌、と言うより白味噌(もしかすると赤白の合わせか?)なので辛さよりも味噌の甘さを先に感じる。
薄い出汁と味噌の組み合わせだと「ほんとんど味噌汁じゃん」と思ったが、それとは別次元の味である事を強く伝えたい。
普段生活していると、その場所の食事や味付けが自分の中の”常識”になってしまう。
ただ、その常識は自分の生活圏内、もっと言うと自分だけの常識かもしれない。
”江戸前”に代表される様に関東圏の味付けは全般的に濃い中で非常に新鮮な出会いだった。
たかがおでん、されどおでん。
自分の中の常識や価値観が揺さぶられるのは、人生で大切にしたい事の一つである”何かに心を惹かれて「あっ」と思う瞬間”に通じる。
そんな体験をしたいから旅に出るのだ。
何かに惹かれて「あっ」と思う瞬間、それは心の琴線に触れる時だと思う
常識、と言う言葉に関して引きこもり支援鈍報さん(id:hikimato)さんがエントリーを書かれたいた。
”おでん”の話から飛躍するかもしれないが、自分の常識ははたして世間の常識なのか? そもそも世間を気にする必要はあるのか?
常に自分を保つ為に考えたい。
常識的、と君は言うがな? 自分のいう常識が、必ずしも他人の常識と同じであるとはかぎらない。 常識とは人の数だけ存在するのだよ。 これはどのような物事にもいえることだ。 例えば善悪。何が善で、なにが悪かなんてしょせんは人が決めたこと。 必ずしもそれが絶対とは限らない。 ニーチェも「一切は許されている」って言ってるしね。 社会で言われている善悪はいわば相対的な善悪なんだよ、 常識だってそうさ、社会で言われている常識は相対的な常識でしかない。 ならば絶対的な「それら」はどこにあるのか? それは個人の中に存在する、つまり人の数だけ「それら」はあるんだよ。 突然こんなことを言われても理解できないかもしれないが、 きっと君にもわかる日がやってくる。 「真実は常に君と共に。」 自分を信じて生きるんだ。
それでは、また。
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