2019年4月から有給休暇の消化をさせていない企業に対して罰則が適用される様になりました。
1労働者としては嬉しいことですが大企業と違い、中小企業では休むことが難しい状況が続いています。
会社側の言い分としては「もちろん有給だから休んでもいいよ。ただし、仕事は終わらせていってね」と、いったところではないでしょうか?
そんな言い分を真っ向から受けていては『有給申請して会社に出勤する』なんて、笑えない状態になってしまいます。
実際に私も有給申請はしたものの結局休めず、会社に出勤することがよくありました。
そんな状態から、今は毎月1回は好きな日に有給を使って休めるようになっています。
大企業と違って、マンパワーに頼っている中小企業では口を開けて待っているだけでは休めません。
自分も含めて、周囲の環境や文化を変えていく必要があるので、有給を取るために私がやったことを紹介します。
有給を取りたければ環境を変える
企業ごとに違いますが、有給を取りづらい文化というのは存在します。
仕事が属人化していたり、膨大な仕事量があったり、休ませない圧力があったり。
有給休暇は権利ですが、大企業と違って意識の薄い中小企業ではないがしろにされがちです。
文句をいっていても変わらないので、自分の周りだけでも有給の取りやすい環境にテラフォーミングしましょう。
会社VS個人では勝ち目は薄いですが、自分のいるセクションを巻き込めば勝てます。
年0回から月に1回、有給を取れるまでに具体的にやったこと
周囲の環境を変える
自分1人でやれることは少ないですが、なにかあった時に助け合う為に組織はあります。
自分だけではなく、自分が所属しているチームの環境や意識を変えることが有給を取りやすくすることに繋がります。
チームメンバーの仕事の進捗管理
自分のいるセクションの進捗管理を普段からしておきます。
チームリーダーであれば、当然仕事の一部に含まれますが、意識してやっておく必要があります。
進捗管理をすることで、チームメンバーのヤバそうな案件を察知して、自分からヘルプに入ります。
この進捗管理を通じて、チームのメンバー間で「助けあえる空気」を作ることが目的です。
個人プレーを是とするチームもありますが、それでは仕事が属人化して「その人しかできない仕事」ができてしまいます。
そういった仕事を無くすことが有給を取りやすくする第一歩です。
チームメンバー間で、各自の仕事内容をざっくり共有
これも仕事の属人化を防ぐためです。
少人数のチームであれば、各自の大きな案件をざっくりとでも知っておけば引継ぎがスムーズに行えます。
同じセクションであれば細部は違っても、大筋でやっていることは同じなので案件の概要さえわかれば対応できることもあります。
あくまで有給を取った日を乗り越えるのが目的なので、あまり細かく知っておく必要はありません。
ふわっと「あー、〇〇と▲▲の仕事やっているな」とか、まずはそのくらいの理解度でOKです。
メンバーが有給を取る時は自分を中心に仕事の割り振りを行う
自分の場合はもちろんですが、チームメンバーが休む場合も当日の仕事内容の聞き取りから再配分まで自分が行います。
ポイントは『当日想定されるタスクをリスト化してチームメンバーと共有する』ことです。
差し込みで仕事が入るのは誰でも嫌ですが、事前に「これの案件で〇〇のタスクが発生するので、対応をお願いします」とわかっていれば誰も嫌な顔はしません。
なぜなら、これを受けることで自分が休む際も相手に頼みやすくなるからです。
とにかく自分も含め、チームの全員がお互いに頼みごとをしやすくなる環境を作ることが大切です。
自分の仕事の進め方を変える
仕事のメールはすべてGmailで一括管理
会社のメールを、会社支給のスマホなどでも受信できるようにしている人は多いです。
ただ、受信するメールは共有できても送信するメールまでは共有できないのが難点です。
送る度に、宛先に自分を追加するのもスマートではありません。
Gmailであれば、ネットさえつながればスマホでもPCでも同じ環境でメールのやり取りができます。
送信メールも受信メールもまとめて一括管理する生活を1年ほど続けると、Gmailがちょっとしたオンラインストレージの役割を果たしてくれるので、顧客とやり取りしたデータなどをそこから引っ張り出せます。
とにかく会社に行かなくても、仕事を進められる体制を作っておけば、有給中にトラブルが発生してもよほど深刻な事態でなければ対処できます。
連絡はLINE、メッセージアプリで行う
これも『会社にいかなくても仕事を進められる体制』の為です。
仕事上でよくある「言った・言わない」問題を発生させない為に、しっかりと自己防衛しておきます。
簡単な連絡事項であればメッセージアプリで必要な人のグループを作っておき、そこに放り込んでおけばOKです。
案件を引き継ぐ際も、それまでのやりとりごと相手に渡せば『なぜ、こうなったのか』という過程も引き継げます。
また、有給中も簡単な連絡ならメッセージアプリで事足ります。
これは有給中に不要不急の電話をかけさせない為でもあります。
有給の前々日にメールで関係各所に釘を刺す
あらかじめ連絡しておくことで、有給当日に不要な電話などをシャットアウトします。
ヤバくなさそうな電話であれば無視してしまえば問題ありませんが、それでは後で「なんで電話に出なかったんだ」と角が立つ場合があります。
そうなった時は「有給を取ることは、事前に連絡してあったんですが…」とメールの件をチラつかせれば100%相手は黙ります。
「有給中でも、会社からの電話は折り返すのが常識だろう」と言われたら、次からは夜中の23時にでも折り返しておきましょう。
大抵相手は出ないので『一応折り返したけど、繋がらなかったのでやむなく断念した』感がでます。
仕事をしていると『ヤバそうな電話』は着信のタイミングと相手で何となく解るようになるので、その時は素直に出た方が、よい結果になることが多いです。
やることが多そうに見えるけど
こうやって書きだしてみるとゴチャゴチャとやることが多そうに見えますが、やることはシンプルです。
- 仕事は複数人でやるもの。チーム内で助け合える空気を普段から作っておく
- 大抵のことは場所にとらわれないで進められる環境を整備しておく
この2つです。
大企業などカッチリした企業文化があるところは別ですが、中小のゆるい文化であれば自分の色を出して徐々に浸食することは可能です。
じっくりとテラフォーミングをして『気が付いたら、ここ数年でめっちゃ有給取れるようになってる』という状態がベストです。
Gmailやメッセージアプリの使用も、禁止されている企業もありますが、中小の製造業や一般商社などであれば上層部が対応しきれていない場合があります。
名指しで禁止されているなら別ですが、グレーゾーンであれば遠慮なく使いましょう。
上有政策、下有対策
中国のことわざで「上に政策あれば、下に対策あり(上有政策、下有対策)」というものがあります。
もともとは『国が政策を決めれば、国民はその政策に対策を練る』という意味ですが、仕事にも通じます。
本来は有給が必要であればサクッと申請して、休むのが望ましいですがそうもいかない中小企業が多いのではないでしょうか?
会社側が「有給どんどん使ってね。ただし、仕事はきっちりね」と、いうのであればこちらも使えるものは使ってキッチリ対策をしましょう。