考えはいつだってNo think!

考えはいつもNo think! は丸の内界隈の箱屋、箱根ヶ崎が「人生を最高に旅せよ!」を合言葉に”旅や移動する事”を楽しむブログです

田舎は色々とクラウド化がハンパ無いので移住する際は良く考えてからの方が良いと思う。

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ライフスタイル系の色々なブログで、田舎での生活について目にする機会がある。

隣人の顔も知れない都会での生活に消耗して、自然と人情味に溢れる田舎は確かに魅力的かもしれない。

しかし、田舎へ移住する事が本当に都会での生活に疲れた事に対する解決策となりえるのだろうか?

 

 都会、いわゆる東京などの首都圏と比べた場合において田舎の方が劣勢(と思われる)事柄をヒト・モノ(タスク)・カネの3つの視点から考えてみたい。

 

地元の岐阜県、飛騨地方は平成の大合併で急速に領地を広げ、市としては日本有数の面積を誇る高山市

同じく周りの町村を取り込み、古来よりのブランド力に物を言わせ「益田市」でまとまりかけていた名前を無理矢理変えた下呂市

「あ、ウチは観光客が放っておいても来るんで合併とか関係無いっスwww」と岐阜県北部で唯一の村となった白川村など群雄割拠、さながら三国志の様相を呈している。

 

田舎を自然がいっぱいで人情味溢れる場所だと思っていると痛い目を見る事になるので移住の際は留意されたし。

地方、特に田舎で特筆に値する事は「東京など比べ物にならない程、全ての事柄が高度にクラウド化されている」点だ。

都内に住んで改めてその高度っぷりに気づくことが出来た。

田舎、マジですごい。

 

情報のクラウド化による共有と自動アップデート

先ずは 「ヒト」について、である。

田舎の情報伝達の手段は1対1、フェイスtoフェイスによる対話が中心となる。

「あらぁ、やっとかめやねぇ。マメにやっとる?」で始まる情報の共有同期作業は基本的に平日、午前中~午後にかけてグループワークの中心人物たる「おばちゃん」によって行われる。

 

この「おばちゃん」達によって共有された情報は夕方~夜にかけて最小の社会構成単位である「家族」に同期される。

家族に同期された情報は「子供」「お父さん」等それぞれのフィルターによる取捨選択が行われ、翌日さらにそれぞれの場所で情報の共有がされていく。

 

「おばちゃん」発信で共有される情報には若干の偏りがあり、高度に政治・軍事的な物の割合は低い。

しかし、それ以外は「○○さんの所、家の建て替え始めたからあそこの息子の結婚、決まったみたいねぇ」と言う社会情報

「今年の冬は温かいから柿を干しても腐るみたいよぉ」と言う気象情報

「アルミホイルで洗面台や風呂場の蛇口を磨くと半端なくピカピカになる」と言った技術情報等、あらゆる情報が共有化される。

 

芸能関係はまれに特化した「おばちゃん」が存在し、「□□さんの所は娘が帰ってきてたけど1か月以上居るし、この前旦那が浮気してるって話を聞いたら離婚してる」とか「△△くんの所、2人目生まれたらしいよぉ。男の子だって。 △△くんのお父さんも男の子生まれたから安心できるねぇ」とか「××さん、今日は高いお肉買っていったけど誰かお客さんかねぇ」とかGoogleの予測変換よりも深く切り込んだ予測を叩き出す。

 

また情報の共有はセキュリティ面でも発揮されている。

幼少の身分で深夜のコンビニやレンタルビデオ店などで分不相応な物品の購入、または貸与を求めると自動で親権者に通報される場合がある。

 

更に親権者や近親者の職場が観光地特有の旅館や銭湯だった場合は、情報の同期が済んでいれば施設によっては顔認証及び声紋認証により、所謂「顔パス」で入退場が行える。

なぜ会った事が無いのに受付の人が知っている・・・

 

その他、台風や地震、祭おかえりの時間など緊急時においては各家庭に装備された「広報無線」により強制的かつ急速に情報の同期が行われる。

特におかえりの時間の広報無線においては春~夏にかけては夕方6時、日の入りが早い秋~冬にかけては夕方5時とサマータイムとも言える1時間の時間調整がニクい

子供達に家族団らんの時間を知らせる実に細やかな配慮である。

 

以上の様に、田舎の「おばちゃん」に端を発する情報共有と一連のシステムにより家族構成は元より、趣味嗜好・生活スタイル・今日買った物などすべての情報がクラウド化され、各家庭に同期されていく。

しかも毎日自動でアップデートされていく。

マジ怖い。 

 

クラウドソーシングによる細分化されたタスク

次に「モノ(タスク)」だ。

田舎は慢性的に若者不足・人手不足の為、四季折々のイベント時に発生する作業はクラウドソーシングにより細分化されたタスクとして各家庭に分配される。

 

特に春先から夏前まで集中して行われる「消防の訓練」はその間の生活に占める比重が非常に大きい。

地区毎に行われる大会に優勝する事を目的として、仕事が終わる夕方~深夜まで連日訓練 が行われる。

まだ、大会期間中以外でも「消防団」に加入する者は河川の氾濫、森林火災、行方不明者の捜索、深夜徘徊する老人の捜索など実に様々な作業が割り当てられている。

 

なお入団に際し先の情報のクラウド化により勤務先・シフト・家族の予定等も共有されており「いえ、ちょっと会社の時間が不規則なんで入団できません…」なんて言い訳は通用しない事を記しておきたい。

 

消防団に加入してもしなくても別途タスクは発生する。

地区のドブ掃除、廃品回収、○○町クリーン作戦など、折りに触れて催されるイベントだ。

こちらも処理を怠ると、自宅の周囲のみドブ掃除されていないなんて事になる。

 

さらに降雪があると悲惨だ。

「別に外出しないし、雪かきとか関係ないもんね」とかなどと家に籠っていると自宅の前だけ除雪されていなくて翌日、車を出す為にカチンコチンになった雪と格闘する羽目になる。

 

また、数件の家を1つのグループとした「組」の制度にも触れておきたい。

先に触れた通り田舎は慢性的な(特に若者の)人手不足の為、冠婚葬祭に始まる「政(まつりごと)」を執り行う際の人員確保の為の制度である。

 

冠婚葬祭、特に葬式を行う際は不幸があった家が所属する組から人を出し、喪主をサポートする。

全体の年齢構成のバランスが良く、人口密度が高い都会では問題になりにくいかもしれない。

しかし、年齢層が高く人口密度の薄い田舎では酷暑や厳寒の時など1か月の内、悲しい話だがほぼ毎週葬式に参列する事もある。

 

過ごしやすい秋になればなったで「田んぼの借り入れ手伝い」があったりする。

これを怠ると次年度に自分の田畑が借りれなかったり、おすそ分けの野菜がもらえなかったり、村八分になったりと飲食・生活関係に大きな影を落とす。

 

上記のイベントはもちろん自由参加だ。

ただし、田舎のイメージにある「人情味あふれる」とは日々発生する地域のタスクをこなした上で得られる物である事を記しておきたい。 

 

クラウドファインディングによる効率的な集金システム

最後に「カネ」である。

田舎暮らしはお金が掛からないイメージがある。

 

畑を耕して食料をある程度の自給自足、スーパーにならぶ食品は地産地消で安くて新鮮。

確かに食費に関して都内よりも優位性がある。 

だが、都会から移り住んだ代償も大きい。

 

 第一に確実に車が必要となる。

1家に1台では全然足りない。

1人1台以上が必須である。

 

男一人で通勤用の軽・家族用のワゴン自分の趣味用のスポーツタイプの3台持ちでも驚かない。

そんなバカなと思うけど本当にあるから仕方がない…。

稀に通勤用の軽が原チャリになったりする家もある。 

 

外出する時に靴を履かない人が居ない様に、外出する時は車が必要だ。

慣れてくると車の有無や国道でのすれ違ったで誰が在宅中か解かる様になる。

お、ワゴンRあるから○○君居るな。昼飯行くから拾ってくか。

 

コンビニ・買い物・医者・仕事 、生活に関わる全ての事柄が車で30分圏内か? が重要になってくる。 

車を持った事によって、維持費・駐車場代・燃料代などの諸経費を考えると住居費が安い、と言う優位性は失われる様に感じる。

(もっとも駐車場代はタダみたいな物だが……)

 

また、気軽にいける範囲に娯楽施設が無く休日の行動がアピタやバローに行って終わり、となりやすい。

「イイこと、プラス。」 アピタ・ピアゴ

スーパーマーケット 株式会社バロー

他の家族も同じ様な状況なので結局行った先でも知り合いや近所の人間に会う。

かくして、最初に紹介した情報のクラウド化が一層促進されるのである。

 

学生も似たり寄ったりで学校→ユニー→カラオケ→ファミレスと言う流れになり、大抵いつどこに行っても同級生が居る。

ファミレスの数も少ないので、地元から都会に出ている人が深夜に行くと軽く同窓会状態になる。

 

地味ながら都市ガスが整備されていない田舎ではガスを使う場合はプロパンガス仕様とだ。

使い方にもよるかもしれないが押しなべて都市ガスよりプロパンガスの方が料金が高くなる。

都市ガスとプロパンガスの料金比較

 

カネにおいても先ほどの「組」が重要になってくる。

組織を運営するには先立つものが必要なのは田舎も都会も変わらない。

それは「組費」と言う形で徴収される。

更に近隣の家のお葬式に手伝いとは言え、参列すれば手ぶらと言う訳にもいかず。

そちらでもお金が必要になる。

 

また、将来的に寺院や仏閣のお世話になるのであれば「檀家」に入る必要が出てくるが、こちらも手ぶらと言う訳にはいかない。

それなりの「お布施」が必要になってくる。

お寺の修繕や建て替えともなると通常以上にお布施が必要だ。地獄の沙汰も金次第なのである。

 

組費と相まって非常に効率的なクラウドファインディングだと思う。

 

 都会か地方か?

news.yahoo.co.jp

田舎は慢性的な若者不足と先細りする人口構成によって強烈な集団への帰属意識を求めらる。

イメージにある「人同士のつながり」や「人情味」とは逆に言えばそうしないと地域が立ち行かない故の方策であり、無償でその恩恵にあずかれる訳ではない。

メリット・デメリットを見極めて、後悔の無いような判断をしたい。

 

ある程度の年齢になるとおいそれと引越し出来なくなってくるが、都会から田舎へ引っ越した後の生活もしっかりイメージしておきたい。

10年後、20年後は良いかもしれないけど70歳、80歳になった時に毎日車を運転して買い物に行けるだろうか?

病気になった時に自分で車を運転できるだろうか?

 

もちろん、Amazonやイオンの通販で日用品を調達する事は可能だが、周囲の人で日用品の全てをネットスーパーや通販で調達している人はいるだろうか?

田舎か? 都会か? 以前から散々議論されてきた事ではあるけど、双方のメリット・デメリットを見比べて「今の自分にはどちらがベストか?」しっかり考えて結論を出したい。

 

それでは、また。