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北海道上空40,000フィート! 旅の〆に新千歳空港の空弁 豚重

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北海道旅行の帰り、連休の最終日と言うこともあり空港は大混雑である。

お土産物屋やレストランも全部満席・満員だ。

北海道の滞在時間を出来るだけひっぱりたくて夕方出発の便にしたが考える事は皆同じ様である。

 

ただ、そうは言っても腹は空くので何か食べたいが出発の時間が迫っているので慌しく手荷物検査に向かう。

案の定、手荷物検査もざっと50人くらいは並んでいるので残り時間がもっと無くなる。

羽田空港に着いてからなにか食べるのも微妙な時間だしなー、と思っているとふと弁当が目に入る。

 

初めて食べる空弁とは……?

【2017.04.04 記事の訂正を整えました】

空弁とは

2003年(平成15年)頃から、空港内で空港周辺地域の名産品などを食材として採用し、各空港ごとの独自色を強く打ち出した弁当が販売されるようになり始めた[1]

背景としては、運賃競争の激化に伴って経費削減のために、国内線の機内食が廃止されたこと[1]や、航空券インターネット予約の普及(電子航空券化)などで、空港内で滞在する時間が短くなったために、弁当を購入して航空機内で食べる人が増えたためといわれている。最近になって人気商品化しデパートスーパーマーケットなどの駅弁セールで、駅弁と伴に販売されることが増えてきている。

空弁 - Wikipedia

 

ちなみに「くうべん」では無く「そらべん」が一般的らしい。

一時期「くうべん」と呼ばれていた時期もあるらしいが現在は「そらべん」でほぼ落ち着いているとの事だ。

別に学名じゃないからどちらでも良いが「そら」が名前に入っていた方がカッコいいと個人的に思う。

 

この時点で飛行機内で弁当を食べるのは未体験の為、非常に楽しみである。

北海道最後の食事が飛行機の中になるとは思わなかった。

幸いな事にも手荷物検査も済んでいるし荷物も少ない。

2泊3日のミニマル北海道旅行準備

 

リュックサックに空弁の入った袋で飛行機に乗り込む。

なにやら都内で遊んで帰りがけにコンビニで弁当を買って家に帰るみたいな格好である。

家には帰るがこれから帰るのは北海道からである。

 

搭乗口でチケットの最終確認をし、いよいよ北海道の地ともお別れである。

美味しい物、楽しい思い出、短い間だったが非常に充実した時間を過ごせた。

今回の経験は今後の人生の大きな糧となるだろう。

そんなちょっとセンチメンタルな気持ちを抱え飛行機に搭乗する。

 

離陸前の空弁の待機場所

搭乗し、飛行機が出発するのを待つ。

人生初の空弁で初体験である。シチュエーションには拘りたい。

折角なら飛行機が飛び立ち、安定飛行に入ってからゆっくりと食べたい。 

新幹線で食べる駅弁と違い飛行機内で食べる為、離陸時に食べ始め様ものなら大切な中身が後方の席に飛んでいきかねないと思う。

(と言うか離陸する機内では多分飲食はダメだろう)

 

ところで弁当を買うのが初めての為、離陸時にどこに置いて良いか解からない。

座席のテーブルは、離陸時は収納しておかねばならないし、上部のラックにしまうのも大げさだし、あと飛んだら取り出せない。

とりあえず、シートベルトをして空弁は膝の上で待機させておく。

CAさんに注意されたどうしようかと思うと、ちょっとドキドキする。

 

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しばらくして飛行機が滑走路に移動し、無事に離陸する。

この瞬間、「空弁の離陸時における待機場所問題」は解決した。

膝の上が待機場所である。

 

 空弁 豚重

離陸後、安定飛行に入りシートベルトサインが消えた事を確認出来たのでいよいよディナータイムだ。

テーブルを取り出し、弁当を膝の上から移動させる。

主役の搭登場である。

 

まめ知識だが、新幹線のテーブルはA3サイズ程度、飛行機のテーブルはA4サイズ程度になっている。

その為、空弁は駅弁と比べて比較的コンパクトである事が求められているそうだ。

 

しかし、テーブルに乗せる為に空弁を持って思うのが非常にズッシリとしている。

駅弁と比べてもコンパクトな外観だが見た目とのギャップがある。

腹が減っている時にこの重量感は頼もしい。

さすが豚””だ。この時点で商品名に偽りなしと言えるだろう。

 

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パッケージを破り、中を開ける。

横に電子レンジの過熱時間が記載されている。

可能であればアツアツの弁当を食べたいが飛行機内で電子レンジなんかあるはずもないので断念する。

 

しかし、弁当に豚肉が向いている理由の一つに豚の油の融点がある。

他の肉と比べて融点が低い為、食べた時に口内で油が解け美味しく食べられるので冷めても美味しい。

その事も踏まえると冷めた状態がデフォルトである駅弁・空弁をアツアツにするのは邪道の様な気もする。

危うく、初回から空弁の道を踏み外す所だった。

飛行機に電子レンジが無くて本当に良かったと思う。

 

弁当の蓋を開けると思わず「おっ!」と声が出そうになる。

 

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見渡す限り、全面に渡って豚肉の大地が広がっている。

ご飯が下にあるが一切見えない。

腹が減っている時に”幕の内弁当”や”なんとか御前”とかそんな気取った弁当は必要ない。

こういう男らしい、ガツッとした弁当が食べたかったのだ。

 

中身は非常にシンプル。

男の中指・人差指・薬指を合わせた程の大きさの豚肉が全面に敷き詰められ、その下にご飯。

ささやかなお供は、山椒と紅ショウガの2名。

 

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確かに圧倒的な量の豚肉は嬉しいが味が濃い目のタレなので途中で飽きてしまう事も考えられる。

その時に山椒で味に変化を付けたり、紅ショウガで口の中をさっぱりさせられるのは嬉しい配慮だ。

わずかに2名と言えど、主役の豚を支える名わき役と言えるだろう。

 

開封した感動をひとしきり味わい、丁度食べ始めようとした時に機内アナウンスで飛行機が北海道上空40,000フィートに達した事を告げられる。

地上から12km程度の距離だが同じ高度に雲も浮かんでいるのが見えた。

時刻が時刻なので外はすっかり暗くなっている。

 

”気取った弁当は必要ない”とかさっきは思ったが、高い所でする食事は美味しい。

ビルの高層階で食事をした事もあるが、それでも数百mだ。

今日は弁当と言えど地上から12km、つまり12,000mで食べる事になる。

窓から雲を見ながら、楽しかった北海道の事を考えつつ食べる空弁は非常に美味しかった。

甘辛いタレが豚肉によく合い、ご飯が進む。

また、時折山椒や紅ショウガで味を変えながら食べられるのも楽しい。

 

新千歳空港にも非常に魅力的なお店が入っている。

海鮮丼・ラーメン・鉄板焼き……どれも北海道の魅力溢れるお店だが、あえて旅の〆に飛行機で飛びながら弁当を食べるのも良い。

そんな風に思える空弁だった。

 

それでは、また。

 

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